1999年(平成11年)に「墓埋法」と省略される「墓地、埋葬等に関する法律」の施行規則部分が改正されて、永代供養墓ができはじめてきたと言われています。
無縁墓の改葬が簡素化されて、永代供養墓が広がりました。このブームは公営霊園であっても同じです。
各地に「合葬式墓所」というスタイルで永代供養墓と同様に広がりました。
また、納骨堂は古くからあった習慣です。お墓を建てる前に、遺骨を保管するスペースとして使用されていました。
これ以外に納骨堂は、身元の分からない人や親戚縁者など身寄りがない人たちの遺骨を納める場所としての役割があり、「無縁塔」もありました。
永代供養墓と納骨堂・無縁塔は、同じものなのか、それとも別物でしょうか?
永代供養墓は、管理と祭祀が約束されています。しかし、納骨堂は祭祀がありません。
祭祀とは供養のことを意味します。
つまり、無縁にならないことで、パッと見は区別が付きにくいですが、永代供養墓と納骨堂・無縁塔とは違いがあります。
永代供養のお墓はさまざまです。もっともポピュラーなものは、納骨堂を地下や半地下に作ります。
そこに骨壺を安置するのです。そこを台座にして、塔・碑・像などを建立します。
お寺では宗教的なシンボルが目立ちます。仏像(観音像とか釈迦像)・仏塔(五輪塔や多宝塔)などです。
民間霊園はそれほど宗教的なイメージが強くない、モニュメントとして碑や塔を建立する傾向にあります。
納骨堂は地下や半地下が多いですが、最近では地上にもできています。
建物のようになっているものや、人間が一人入れる程度の大きさのものなんかも人気です。
納骨室の内部には棚が設置されており、骨壺を安置できるようになっています。
1つひとつの納骨スペースごとに扉が付けられていたり、棚を仕切ったりと工夫されています。
豪華に内部を御影石利用のタイプなんかもあります。
公営霊園の場合は「供養」という言葉は使いません。宗教的な意味合いを含むからです。
それゆえ永代供養墓とは呼ばれずに、「合葬式納骨施設」とか「合葬式墓所」とか「合葬墓」なんていうネーミングが使用されています。
これ以外には、「個別墓」(独立した石塔を建立する)とか「集合墓」(石塔や石碑を一つの区画に並べるタイプ)もあります。